尿を使った簡単・安価な最新ガン検査「N-NOSE(エヌノーズ)」とは?HIROTSUバイオサイエンスの取り組み

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尿を用いたガン検査「N-NOSE(エヌノーズ)」とそのメリット

「N-NOSE(エヌノーズ)」とは近年注目を集める、尿1滴でがん検査ができる技術。
以下のように、たくさんのメリットがあります。

・簡単、無痛・・・尿1滴で検査可能
・迅速・・・結果が出るまでわずか1時間半
・安価・・・数百円で検査可能
・高精度・・・9割以上の精度
・早期がんも発見可能

がん検査というと費用が高かったり敷居が高いイメージがありますが、これなら気軽に受けることができますね。
ステージ0〜1の初期のがんも発見できることから、治療費を削減したり身体への負担を減らす効果も期待されています。

この検査で使われる「線虫(せんちゅう)」は自然界にも無数に存在する、体長わずか1ミリほどの身近な微生物。
犬の1.5倍の嗅覚を持っており、好きな匂い(がんの匂い)に寄っていく特徴をもつため、この反応を見ることで簡単にがんの有無を調べることができます。

線虫はがんの匂いを嗅ぎ分け行動するため一目でわかる。via:PR TIMES

どのようながんが発見できるかについては、2018年9月の段階で、5大がん(胃がん、大腸がん、肺がん、乳がん、子宮がん)をはじめ、膵臓がん、肝臓がん、前立腺がん、食道がん、卵巣がん、胆管がん、胆のうがん、盲腸がん、腎臓がん、膀胱がんなどを含む18種類のがんに反応することが確認されています。

その他のがんについても現在研究が進められているため、今後より多くのがんが発見できるようになることが期待されます。

N-NOSEでがん検査を受けるには?

開発元のHIROTSUバイオサイエンス公式HPによると、残念ながらまだ臨床研究段階であり、一般の人からの検体受付はしていないとのことです。
実用化は2020年1月を予定しているそうですが、早期の実用化が待ちきれませんね。

注目を集めるベンチャー企業・HIROTSUバイオサイエンスと提携企業、今後の動き

N-NOSEは、現在HIROTSUバイオサイエンス代表取締役の広津崇亮(ひろつたかあき)氏が発明しました。

広津崇亮氏 via:HIROTSUバイオサイエンスHP

東京大学大学院大学院博士課程時代、広津氏はN-NOSEの鍵となる線虫「C・エレガンス」の研究を開始。次第に研究成果が英科学誌「Nature」に掲載されるなど注目されはじめ、2016年にはN-NOSEの実用化を目指し、HIROTSUバイオサイエンスを設立しました。

2018年6月には、HIROTSUバイオサイエンスはエイベックスとAVEX&HIROTSU BIO EMPOWER合同会社を設立するとともに、小児がんの子供たちとその家族の金銭的支援や社会支援を行うことを目的とした、一般社団法人「Empower Children」を設立。

きっかけはAVEX&HIROTSU BIO EMPOWER代表の保屋松靖人氏のお子さんが小児がんを患ったこと。
エンターテイメントだからできるアプローチでがん検査に親しみを持ってもらい、「世の中からがんで苦しむ人をなくしたい」という両者の思いが一致し、合同会社設立に至ったそう。

今後は小中学校での健康診断でのN-NOSE採用も視野に入れ、若年層へのがん検診受診啓発活動、がん早期発見の重要性を伝えるライブイベント等を行っていく予定です。

2018年7月には、日立と共同研究を開始。
日立の技術を駆使し解析処理数を向上させた「高スループット自動撮像装置」を開発し、これまでの解析が1日あたり3~5検体だったところ、100検体以上の解析が可能となり、1日あたりの解析量が飛躍的に上がりました。

また、2018年8月には事業会社6社と銀行系キャピタル2社を割当先とする、14億円にのぼる第三者割当増資を実施した事を発表。

解析センターや医療機関提携をみらかホールディングス株式会社とトッパン・フォームズ株式会社、啓発活動をエイベックス株式会社と株式会社ニッポン放送、検査用消耗品をアズワン株式会社、法人販促を株式会社イチネンホールディングスと、各分野の代表企業がバックアップにつく強力な開発・販促体制が揃ったこととなり、今後研究や認知が急速に進んで行くことが予想されます。

さらに、2018年12月18日にはテレビ東京・ガイアの夜明け【がんの「超」早期発見に挑む!~日の丸ベンチャーの底力~】でも取り上げられ、その認知度を高めました。

上場の予定は現在のところ未定のようですが、この短期間でこれだけの企業提携と資金調達がされていることから、近い将来上場する可能性も大いにあるといえるでしょう。

がんは現在日本人の死因第1位を占め、年間30万人、日本人の3人に1人ががんで亡くなっています。
しかし、早期発見、早期治療が行われれば助かる命も数多くある中で、N-NOSEをはじめとする簡単、安価、高精度のがん検査技術は今後ますます注目されていきます。

参考URL(もっと学びたい方は以下もご参照ください):
・mugendai「尿1滴で、線虫が早期がんを嗅ぎ分ける! ――95.8%という驚きの高感度」
・HITACHIニュースリリース「HIROTSUバイオサイエンスと日立が、共同実験室を開設」
・VENTURE TIMES「線虫がん検査N-NOSE開発のHIROTSUバイオサイエンス、14億円の資金調達」
・musicman-net「エイベックスが医療業界に参入、がん検査「N-NOSE」の普及を目指す合同会社を設立」

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